2014/08/22

禁句を発しない〜「沖縄のために・・・」

ベンチャーは地方でチャンスをつかめ!
〜沖縄で飛躍的に成功する40の法則


 はじめて沖縄に来たときに、出会う若者や学生の多くが目を輝かせながら「沖縄のためにがんばりたい」、「沖縄のために××をしたい」と語ることにとても衝撃を覚えました。

 なぜなら私はこれまで一度も「東京のためにがんばりたい」とか「関東のためになにかしたい」など考えたことはなかったからです。
 みなさんは、あります??

 近いモチベーションとしては、自分たちが作ったサービスで、「たくさんの人に喜んでもらいたい」、「よのなかがもっと便利で楽しくなってほしい」ということは常々、考えてはいますが、これはどこが違うのでしょうか?
 大都会に住むビジネスマンと、地方の公務員志向が強い学生の考え方の違いなのでしょうか?

 ただ私は、少なくとも社会人であれば、いつまでもそのあいまいさ・意味不明さの中に安住してはいけないと思うのです。

 「沖縄のため」っていったいどういう行動を指すのでしょうか?


 この言葉を多用するのは、ビジネスマンでも政治家でも「頭が悪い」「何も考えていない」「苦し紛れ」という意味で共通しています。
 百歩譲って、学生といっても中学生ではなく、大学生であれば、かなり頭の悪い部類に入っていると思います。

 具体的な目標ならいいのですよ、有言実行で。
 例えば「沖縄の失業率を3年以内に半減させます」とか、したいです、という発言は。
でも、「沖縄のため」にというような、気持ちですらもきわめてあいまいな言い回しは、控えるべきであると思います。

 過去5年もの間、沖縄県の産業振興に関する補助事業の採択側、審査側にいたのですが、なぜか胡散臭い企業ほど、この言葉を使いたがるのです。なにか「補助金獲得マニュアル」なるものが存在し、そこにそういうことが書かれているのでしょうか・・・。

 そういう個人的な経験もあり、この「沖縄のため」という言葉にネガティブな印象と使用例が焼きついてしまいました。

 沖縄でビジネスを営むものは、それぞれの能力を生かし、一人でも雇用を創出するとか、法人税をたくさん払うとか、取引先といっしょに大きくなるとか、ごくごく普通に成長してくれればいいのです。企業成長戦略のシナリオとそのリアリティ、沖縄での事業展開の必然性・優位性を、仮説であってもいいので粛々と実施・実現していけばいいところを、なぜかこの言葉で誤魔化してしまう企業が後を絶ちません。

 「あの人(企業)は、沖縄のために尽くしてくれた・・・」、といわれるのはたいてい現役引退など事後のことであり、しかも評価するのは自分ではなく周囲の人だと思うのです。


 まだ何もなしえていない新参者の私たちが、今この時点で、自らの口から発してはならない忌み言葉の1つが、「沖縄のために・・・」なのです。


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